ダニアレルギーとは？
ダニを抗原とする結膜のアレルギー性の病気です。体内にダニが侵入することを撃退しようと、免疫機能が反応し、アレルギー症状が起きます。生きているダニだけではなく、夏から秋にかけて大量に繁殖したダニの死骸や糞が粉々になり、空気中に浮遊することから起きるため、季節性の花粉アレルギーと違って年間を通じて発症してしまうのが特徴です。また、ダニはさまざまなアレルギー性疾患の原因となっており、咳や鼻水、目のかゆみなどの日常生活を妨げる症状が起きるため、お子さまへの負担が大きくなる前に早めの対策や適切な治療が必要となります。
症状
- 蕁麻疹
- 咳
- くしゃみ
- 鼻水
- 目のかゆみ
上記のような症状がみられます。
また、ダニアレルギーによって喘息発作を引き起こすケースもあります。
ダニアレルギーの原因は？いつからなる？
夏に繁殖したダニの死骸やフンは、やがて乾燥して0.01mm以下の小さなチリになります。
そのチリになったダニが呼吸によって体内に入り込み、ダニアレルギーの原因となります。ダニは髪やホコリも好んで食べるので、こまめに掃除をして清潔を保つことが必要です。また、ダニがいる環境で過ごしている場合は、スギ花粉などの決まった季節に症状の出るアレルギーとは違い、1年を通していつでも症状が出る可能性があります。さらにその他のアレルギーも併発することがありますので早めの治療によって改善することが大切です。
食べ物が原因でダニアレルギーになることも
ダニは、体長が0.05mmと非常に小さいため、粉製品などの食品のわずかな隙間に侵入することができます。
その食品を摂取した1時間以内に症状があらわれるケースが多く、じんましんやかゆみの症状以外にも呼吸困難や意識低下、全身的なアナフィラキシーが生じることもありますので注意が必要です。
なぜダニが粉製品に混入するの？
ダニは非常に小さいので密封されていない食品に侵入することがあります。でんぷんやタンパク質等が入っているお好み焼き粉やホットケーキミックスなどの粉製品はダニの餌になります。
粉製品を開封後は冷蔵庫へ！早めに使い切りましょう
ダニは高温多湿の環境を好むため、加熱してもアレルゲンが残ります。ダニの繁殖を防ぐため、残ってしまった粉製品は冷蔵庫で保存して早めに使い切るようにしましょう。また、冷蔵庫で保存した後もできるだけ早く使い切るのが安心です。
検査方法
採血によるアレルギー検査
当院では採血によるアレルギー検査も行っています。検査によりアレルギーの有無に関わる非特異的IgE抗体と特異的IgE抗体を調べることができます。IgE抗体は、アレルギーの原因となる物質が体内に入ってくると細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出させます。この化学物質によって、体にさまざまなアレルギー症状が現われるのです。採血によるアレルギー検査では、体内のIgE抗体の総量がわかる非特異的IgE抗体とその中でもどの種類のアレルゲン反応があるかを知ることが出来る特異的IgE抗体に関する値を知ることが出来るため、より適切な治療方法を見つけることができます。
皮膚検査（プリックテスト）
皮膚にアレルゲン液を垂らし、細い針で押すプリックテストも行っています。負担が少なく、15分で結果が判明するので、当日結果がわかることが利点です。
治療方法
抗アレルギー薬を服用する
抗アレルギー薬は、咳やくしゃみ、目のかゆみなどのアレルギー症状を抑える薬です。飲み薬の他に点眼薬や点鼻薬もあります。薬の種類によっては、副作用がありますので、お子さまに合った薬を服用しましょう。
舌下免疫療法
ダニアレルギーによってアレルギー性鼻炎があるなら、是非根本的治療である舌下免疫療法をお勧めします。舌下免疫療法は自宅で続けることができ、舌の下に治療薬を投与するだけの治療です。
舌の下に薬を1分間保持することができるお子さまでしたら服用していただけますので、ご相談ください。
皮下疫療法
ダニアレルギーによって喘息やアレルギー性鼻炎があるなら、皮下免疫療法も良い選択肢です。
詳しくはスタッフへお問い合わせください。
ダニアレルギーの対策方法
- 定期的に換気しましょう
- こまめに掃除をしましょう
- 布団は週に一度は天日干しをしましょう
- ダニが繁殖しやすい素材のカーペットやじゅうたんの使用を控えましょう
ダニは室内のさまざまな場所に存在しているため、完全に除去することが非常に困難です。
上記のような対策からダニの繁殖防止と除去を心がけましょう。
