赤ちゃんの発熱はなぜ起こる?
赤ちゃんはお母さんから外敵から身を守る抗体をもらって生まれてきます。しかしその抗体も生後6ヶ月頃にはなくなってしまうため、免疫が未熟な赤ちゃんはさまざまなウイルスに感染することがあります。
赤ちゃんは何度も繰り返しウイルスや細菌に感染して戦うことで免疫力を発達させます。そのようなウイルスと戦う際の正常な反応として熱が出るため、発熱した際は、普段と変わった様子がないかを観察し、落ち着いて適切な対処をすることが必要となります。また、生後3ヶ月頃までは特に免疫力や体の機能が未発達なため、急に症状が悪化したり、脳炎や脳症などを引き起こすことがありますので、注意が必要です。
何度からが熱?正常な体温(平熱)は?
個人差がありますが、乳児の正常な体温は36.3~37.4℃くらいです。
普段赤ちゃんが元気なときの平熱を知っておくと、その体温より1度高ければ熱があると判断しやすくなります。また、赤ちゃんは体温調節が上手く行えないため、部屋が暑かったり、厚着をしているだけでも熱が高くなることがあります。38℃の熱が続く、機嫌が悪い、ミルクを飲まないなどの様子が見られたらすぐに受診しましょう。
赤ちゃんが発熱したときの対処法
赤ちゃんは自分の症状を訴えることが出来ませんので、こちらがいつもと違った様子を察してあげることが大切です。赤ちゃんが発熱したときに、慌てずにすむよう家庭での対処法を知っておきましょう。また、小さなお子さまの病気は体温の高さだけでなく、全身の状態をよく見てあげることが大切です。
- こまめな水分補給をする
- 寒気があるときはあたためてあげる
- 熱が上がりきったら体を冷やす
- 必要な時のみ、解熱剤を使用する
発熱した赤ちゃんにおける観察のポイント
- 食欲は低下していませんか?
- 熱以外に咳などの症状はありませんか?
- 発疹が出ていませんか?
- おしっこの量はいつもより減っていませんか?
上記のような変化がないかどうか、落ち着いて赤ちゃんの様子を観察してください。
受診の目安
熱の高さと病気の重症度は、必ずしも関係があるものではありません。その上、熱が出る病気は非常にたくさんの種類があるため、出始めた時はまだ原因がわからないこともあります。熱が出てから 1 ~ 2 日経つと、さまざまな症状から正確な診断が可能になってきますが、熱があっても元気や食欲があるときは翌日に症状が改善することもありますので、一晩様子をみていただいても問題ないケースもあります。
しかし、下記のような症状があるときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。
- 食事や水分を受けつけない
- おしっこが出ない
- けいれんがある
- 急激な発熱と異常な行動がみられる
新生児の熱の測り方
赤ちゃんの熱を測る前に
食後や授乳後、運動などで体を動かした後、入浴した後などは体温が高くなっていることがあります。
正確に測るため、30分ほど待ってから体温を測りましょう。また、新生児の熱を測る場合は同じタイミングや同じ時間に測るようにすると体調の変化がわかりやすくなります。
ワキでの測り方
正確に測るためにワキの汗をしっかり拭いてあげましょう。
ワキの中心と外側では体温が異なるので、ワキのくぼみの中央に体温計の先を当ててしっかりとワキを閉じて測ります。
また、授乳や食事後、入浴後、運動をした後などは検温に適していませんので落ち着いてから測りましょう。
耳での測り方
子どもがじっとしていない時は、片手を頭の反対側に添えて動かないようにします。
耳垢などを取り除き、きれいな状態で正確に測りましょう。
また、体温計の測定部の長さは短いため、耳の奥まで入れても、鼓膜を傷つけることはありません。
耳の奥をしっかり見てから、できるだけ深く差し込み、奥に向けて、入り口をふさぐようにします。